それについては後ほど。

あにめとか日々のゆるゆるめも。

ウツボラ2巻読了

ウツボラ(2)(完) (エフコミック) (エフコミックス)

ウツボラ(2)(完) (エフコミック) (エフコミックス)

1巻だとまだどうなるのか先が見えなかったけど、完結巻にて怒涛の展開。
今ちょうど京極夏彦の「狂骨の夢」の憑き物落としの辺り(最後ら辺)を読んでいるので、それと被って何とも不思議な気分になった。


どちらがどちらでどうなっているのか、複雑に交じり合って非常に惹きつけられる。
朱の潔癖さと危うい脆さがどうしようもなく切ない。
溝呂木の抱えてる混乱や業もぐるぐるとしてて苦しい。
辻は好きだったのにな。見た目とかも。純粋に愛読者であるが故に壊れちゃったのかなあ…

…僕は…こんなことがしたかったんじゃない…!!

そうだよねぇ…彼はどこに行っちゃったのかなあ。


所々明確にしていない部分を追及解明するのは野暮というかあまり宜しくないと思うのだけど、自己整理も兼ねて考えたことをちょこっと。
本物の三木桜は、溝呂木と彼の作品を愛し彼の作品の一部(キャラクター)になりたかった。
そして「藤乃朱」として印象付けるために、秋山富士子が「桜」として彼の前に現れ揺さぶりをかけ、作品に「彼女=藤乃朱」を書かせるよう仕組んだ…ってことかな。
元のウツボラを書いたのは富士子…?桜が遺したとも思ったけど、富士子が小説を書いていたっぽい描写があったからやっぱ富士子かな。
最終的には溝呂木も自身の作品の一部になったんだね…
公園?で待ち合わせたときの朱の笑顔がかわいかったので、後の展開がつらかった。
ラストのカットは…辻の子かなぁ… ああでも、

今の世代に生かされながらも次へとつなぐことのできない自分は最初から死んでいたのかもしれない

この部分を思うと切なすぎるので、溝呂木の子であって欲しい…!
いやしかし溝呂木っていくつなんだろう?矢田部先生がそこそこ年を召してるように見えるけど、コヨミのおじだし…40後半かと思うのだけど…どどどうなんだろう?
すごくいい…ですよね…(*´Д`*)髭に和装も素敵だけど、剃った後も素晴らしく男前すぎてもうね…!
最初に朱(桜)に脅されながらのトコとかたまらんですね!←
昭和の文学作家風情というか古風な感じがまた私のツボだ。
あーでもコヨミとほんわか幸せに暮らしていて欲しかった気もある。
コヨミかわいいしいい子だから幸せになってもらいたかった。もちろん溝呂木とね。
辻は…まあほのかに恋心抱きながらそのままでいてくれ。貴重な眼鏡だし。
矢田部先生も良かったな。最初より後のが好きになった。
最期の手紙とか号泣でした よ…


1巻から改めて読み直すと色んな所に仕掛けられたパーツが解けていく感じ。
何とも重い。感情が掻き乱される。引っ張られる。脳をフル回転させて個々人物像を考える。とても魅力的で悲しくて切ない。
明日美子さんの作品読むといつも心にズシンと来るけど、今作もまた違うのが来た。
暫くはこの世界に浸っていれそうだ。